3Dプリンター Flashforge Adventurer 3でTPU樹脂を使いこなす!
- 今年の買ってよかったもの「3Dプリンター」
- やわらかいフィラメント「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」
- 「サインスマート フレキシブルTPU 3Dフィラメント」
- プリント条件のポイント
- 管楽器用便利グッズの製作!
- パーツ製作のご希望/アイデアあればご連絡ください!
今年の買ってよかったもの「3Dプリンター」
今年買って一番よかったもののひとつは3Dプリンター「Flashforge Adventurer3」です。(ちなみに、昨年2018年はもちろんブロンプトンです!)
海外では「Flashforge Adventurer3 Lite」という新モデルが出たとのこと。
内部監視カメラとフィラメント残量監視がない代わりにお値段抑え目とのこと。なんと半額程度!ただし、手に入れるには個人輸入なのかな??従来モデルはAmazonでも買えるようですが。
https://flashforge-usa.com/products/copy-of-flashforge-adventurer-3-lite-3d-printer
FLASHFORGE(フラッシュフォージ) 3Dプリンター 本体 Finder(ファインダー) PLA1リール付き (レッド)
↑ 少し大きめの筐体をもつ「Finder(ファインダー)」という機種もおすすめです。Adventurer3は、全体が小さくなったかわりに大きいサイズの社外フィラメントがとりつかないため、筐体が多少大きくてもいいよ!という場合にはFinderがベストチョイスかもしれません。
(日本の代理店があるため、困ったときにtwitterで#Flashforgeでつぶやくと、公式からアドバイスもらえることがあります!)
やわらかいフィラメント「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」
この3Dプリンターは、「フィラメント」というプラスチックの太い釣り糸みたいなものを徐々に溶かしながら、積み上げていくことで自由に作品をつくることができます。
フィラメントにはいろんな種類があります。一般的なものは
・ABS
FLASHFORGE フィラメント ABS 500g ブラック ABS-F02
・PLA
FLASHFORGE フィラメント PLA 500g ホワイト PLA-F13 [並行輸入品]
です。フィギュアや簡単な工具などもこのふたつでだいたい作れてしまいます。
ところが!やわらかいゴムみたいな樹脂が使えればさらに使い道が広がります。
そこで紹介したいのが「TPU樹脂(熱可塑性ポリウレタン)」です。
「サインスマート フレキシブルTPU 3Dフィラメント」
3Dプリンターのフィラメントの太さは、ほとんどのものが1.75mmでできています。つまり、自己責任でサードパーティーメーカーのものを使うことができます。
今回、実験した樹脂は「サインスマート フレキシブルTPU 3Dフィラメント」です。
Adventurer3は、TPUでのプリントは非推奨ですが、以下のように設定がうまくできていれば使用することができます。(あくまで個人の見解です)
プリント条件のポイント
この樹脂の特徴は、ゴムのような弾力性です。これが厄介で、PLAやABSのような条件でプリントすると失敗します。
プリント条件のポイントをこちらの「ベクトル平衡体」で説明します!
スライスソフトはFlashforgeのフリーソフト「Flashprint」です。
一番のポイントは「取消」の「長さの取り消し」を0mmにすることです。
「取消」とは、溶かして流している樹脂を少し戻すことで、垂れるのを防ぐ機能です。しかし、TPU樹脂はやわらかくて粘りがあるため、樹脂を押したり戻したりすると、樹脂を運んでいるローラーの部分で滑ってしまい、樹脂が絡まってしまいます。
第二のポイントは、「印刷速度」を20mm/s以下に下げることです。こちらも、速く送りすぎると樹脂が滑ってついていけなくなってしまうためです。通常は40~50mm/sなのを20mm/s程度にまで落とすと改善されます。
管楽器用便利グッズの製作!
このような条件にした結果、かなり自由に樹脂を使いこなせるようになりました。いくつか作例をご紹介します。
作例①ベクトル平衡体(成功verと失敗ver)
まず、先ほどの四角い箱の成功例と失敗例はこちら!
写真左のように、失敗するときは、樹脂が滑って運ばれなかったり、詰まって絡まったりしているため、スカスカの部分が多発しています。樹脂を安定して運ぶ条件にすることで、一気に品質が上がりました。なかなかかっこいい小物入れです。もちろん弾力を持っています。
作例②楽器用ペンシルクリップ
弾力を生かした作例がこちら!楽器用ペンシルクリップです。トロンボーンの管に短い鉛筆と一緒に着けることを想定しています。大きいほうのU字側を楽器につけて、小さいほうのU字に鉛筆を差し込みます。
市販品は、楽器のつけたい場所の径に合わなかったり、固いプラスチックでできているために、取り付け取り外しで楽器に傷がつかないかという懸念がありました。
TPU樹脂を使った3Dプリンターであれば、いろいろな大きさに対応できるうえ、好きなデザインをつくることができます。たとえば、ト音記号などが人気です。巷では手に入りません。
作例③譜面台用ペンシルクリップ
さらに応用で譜面台用のペンシルクリップも作りました。
楽譜をめくるときに、譜面台に置いたペンが落ちることがよくあります。隣のひとの楽器なんかに当たると大変!
というわけで、譜面台の軸につけられるペンシルクリップを製作しました。意外とないんですよね、こういうグッズ。
楽譜書き込みに便利なフリクションボールペンがちょうど引っかかる太さに調整しています。
消せるボールペン フリクションボールノック 0.5 三本セット
もちろん、そんな都合のいいサイズのペンクリップは世の中にまだありません!便利です!
パーツ製作のご希望/アイデアあればご連絡ください!
やわらかい樹脂を使いこなせるようになって3Dプリンターの可能性が一気に広がりました!今後は自転車や楽器関連の「かゆいところに手が届く」パーツをもっともっと増やしていく予定です。ブロンプトンともなにか組み合わせられるはず!
今回ご紹介した製作例のようなパーツでお悩みの方いらっしゃればご連絡お待ちしております!
<マスク用イヤーガードを作りました!>