3Dプリンター Flashforge Adventurer 3でTPU樹脂のマスク用イヤーガードを作る!
- 災害時に強さを発揮している3Dプリンター
- フリーのデータからイヤーガードを製作
- 製作するイヤーガードのモデル
- 今回のプリント条件
- プリント終了!出来栄えは??
- 3Dプリンターとデータさえあれば簡単にできちゃいます!
災害時に強さを発揮している3Dプリンター
昨今のコロナウイルスの影響で、マスクをはじめとする医療品の需要が急増しています。工場がダウンするさなか、3Dプリンターが活躍しています。
例えば、こちらの高校生は3Dプリンターでフェイスシールドとイヤーガード(イヤーセーバー)を作っています。素晴らしいですね!
Teen makes 3D printed ear savers for masks
フリーのデータからイヤーガードを製作
このマスクのイヤーガードのパーツは、いろいろなところでデータが公開されています。例えばThingiverseなどでも見つかります。
3Dプリンターメーカー フラッシュフォージの販売代理店「Apple Tree」でもマスク用イヤーガードがフリーで公開されています。
https://flashforge.co.jp/stl-earguard-faceshield/
使える樹脂の種類は、PLA(ポリ乳酸)とTPU(熱可塑性ポリウレタン)で、どちらも柔軟に曲げられる形状になっています。
TPUのほうが、分厚くて作りやすそう(そして得意!)なので、今回はコチラで製作しました。使用した樹脂は「サインスマート フレキシブルTPU 3Dフィラメント」です。
※Flashforge純正フィラメント以外は、本来は非推奨です。使用の際に生じた不具合などは自己責任で!
Adventurer3自体、TPUの使用は非推奨です。理由は、送り出しでの詰まりトラブルが生じやすいからとのことです。
私個人の見解としては、伸びやすい樹脂を扱えるようにプリント設定を調整すれば使用できると考えています(むしろABSより素直かも)。TPUのプリントはあくまで自己責任で!
製作するイヤーガードのモデル
イヤーガードの3Dモデルはこちらです!
厚さは1.4mmの薄くて長いモデルです。中央にはロゴが刻まれています!
Adventurer3の場合、イヤーガードがプリント可能な範囲に入るように45°回転させて配置します。
今回のプリント条件
スライスソフトはFlashforge推奨ソフト「FlashPrint」を使用しています。
①一般設定
レイヤーの高さは、薄物なのでレイヤー数を稼ぐため、小さめの0.1mmとしました。ヘッドの温度は215℃。これで失敗したことがないですが、もっと最適な数値があるかも。ご存じの方は教えてください!
最大のポイントは「長さの取消」を「0.0mm」とすることです!
これは、印刷しない瞬間に樹脂を巻き戻して糸引きを避けるためにありますが、TPUは樹脂自体に粘りがあるため、ローラーの部分にフィラメントが詰まってしまいます。これさえやっておけばあとはなんとかなる、かも。
②充填率
充填率は100%を強くおすすめします!
あまりにスカスカにしてしまうと、層の間が剥がれる可能性があることと、内部充填時に樹脂とローラーがスリップしてしまう場合があるためです。
③ラフト
TPUで製作する際、ラフトは無効とします。
TPUは食いつきがよく、プリント中の反りも小さいため、出来上がった物体をベースプレートからペリペリ剥がすほうがきれいにできるためです。やわらかい樹脂ですので、引っ張ればすぐに剥がせます。ラフト除去が面倒という理由もあります。。この辺りはお好みです。
プリント終了!出来栄えは??
完成しました!
プリント時間は約1時間半でした。
0.3mmノズルの効果もあるのか、売り物のようにきれいにできました!満足。
丁寧な設定だったため、もっと時間を早めることもできたかもしれません。この設定だと、途中でズレてゆがんだりせず、表面の文字もきれいにプリントできています。
もちろんこのとおり、簡単に曲がるしなやかさがあります。今度マスクをするときに早速つけてみましょう!もうボタン一つで量産できるので、お裾分けしてもいいですね。
3Dプリンターとデータさえあれば簡単にできちゃいます!
データが無償で公開されていると、3Dプリンターさえあればイヤーガードが誰でも簡単に できます!3DプリンターSNSコミュニティでもわからないことは知っているひとが親切に教えてくれますし、この「助け合いの精神」みたいなところが個人でものを作ることの良さですね!
TPUの使い方はこちらの記事にも詳しく書いています!