【さらに詳しく!】3Dプリンター Flashforge Adventurer 3で"もっと"TPU樹脂を使いこなす!
- Adventure3は設定次第でTPUプリント可能
- やわらかいフィラメント「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」
- 「サインスマート フレキシブルTPU 3Dフィラメント」
- 温度条件とシェルカウントにもポイントあり
- 多分、機差もあります。あくまで参考程度に!
Adventure3は設定次第でTPUプリント可能
3Dプリンター「Flashforge Adventurer3」で軟質フィラメント「TPUフィラメント」を使った記事をいくつかアップしています。
「Adventurer3 TPU」で以下の記事を読んでいただいている方が多いようです。
実は、Adventurer3/Adventurer3xはTPU非推奨の機種です。ずっと知らずに使っていました。。
以下、FlashforgeJapan公式twitterより引用です。
adventurer3 /3xはTPUのプリントは非推奨です。
— FLASHFORGE JAPAN (@flashforge_jp) February 18, 2020
プリント自体はできますが、エクストルーダー(材料を巻き込む機械)の位置がベッド(ノズル)と離れている為プリント時に巻き込みきれないことがあります。
つづく
…確かに、無事に巻き込まれてくれるように祈っている部分もあります。
しかし、私個人の見解としては、「Adventurer3はTPUも使いこなせる!」と考えています!
やわらかいフィラメント「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」
3Dプリンターは、「フィラメント」というプラスチックの太い釣り糸みたいなものを徐々に溶かしながら、積み上げていくことで自由に作品をつくることができます。
フィラメントにはいろんな種類があります。一般的なものは
・ABS
FLASHFORGE フィラメント ABS 500g ブラック ABS-F02
・PLA
FLASHFORGE フィラメント PLA 500g ホワイト PLA-F13 [並行輸入品]
です。フィギュアや簡単な工具などもこのふたつでだいたい作れてしまいます。
ところが!やわらかいゴムみたいな樹脂が使えればさらに使い道が広がります。
そこで紹介したいのが「TPU樹脂(熱可塑性ポリウレタン)」です。
「サインスマート フレキシブルTPU 3Dフィラメント」
3Dプリンターのフィラメントの太さは、ほとんどのものが1.75mmでできています。つまり、自己責任でサードパーティーメーカーのものを使うことができます。
今回、実験した樹脂は「サインスマート フレキシブルTPU 3Dフィラメント」です。
Adventurer3は、TPUでのプリントは非推奨ですが、設定を工夫すれば使用することができます。
温度条件とシェルカウントにもポイントあり
前回までの実験で以下の重要な設定がわかりました。
・「取消」の「長さの取り消し」を0mmにすること
・「印刷速度」を20mm/s以下に下げること
これによって、樹脂がスリップせずにうまく送り出せることがわかりました。今回はTPUのプリント条件に新たなコツを見つけました!
①温度は少し高めに設定
標準的な温度は「210℃」となっていますが、少し高め「215~220℃」とすることで、層の間で剥離しにくくなるためプリントが成功しやすくなります。
②シェルカウントと充填率に注意
これまでは、「ベクトル平衡体」という花瓶のような形状でプリントしていましたが、多くの形状は中身が詰まったものになると思います。
このとき、内部充填時にも樹脂がスリップしやすいため、充填率は90~100パーセントで緻密に埋めてやって造形ミスを減らします。
さらに、中実モノでは「シェルカウント」の項目にも目を向けましょう。
シェルカウントは、本来は多くするほど部品の壁部分が増えて強度が上がります。しかし、軟性フィラメントであるTPUの場合、壁と壁の間で剥離が起こりやすくなります。そのため、シェルカウントを増やしすぎないほうが壊れにくい部品ができます。
左がシェルカウント5、右が2です。
ビルドプレートから剥がした瞬間にめくれあがってしまいました。
断面をよく見てみると、壁と壁の間の層からはがれてしまっています。
壁は薄く、充填率を上げて全体を樹脂で繋ぐような設定が最適です!
今回出来上がったのは、ティンパニのゲージインジケータという楽器関連部品です。無くなりやすい割に販売はセット売りなので、1個だけでも作れる3Dプリンターの良さが出ています!!
多分、機差もあります。あくまで参考程度に!
Adventurer3でのTPUのプリントはこなれてきたものの、まだ樹脂の状態や形状の特徴でうまくいったりいかなかったり、、というところがあります。
また、ありがたいことに、このブログで紹介した条件を参考にプリントされている方もいらっしゃいますが、樹脂も機械も一緒でもうまくいかないケースがあるとのこと。
http://coelostat.hatenablog.com/entry/2020/07/20/222634
これは、機体の差があったりなのかなぁ、、と思っています。
あとの微調整に関しては、いろいろ実験して確認してみてください!
<マスク用イヤーガードを作りました!>